第83回草の根交流文化サロンinSEIN~左官アートと写真展「Surface〜表面は内面を包むのか」〜


今日から左官アートと写真展が始まります。

「ぎふ女のすぐれもの」に認定された左官職人の中嶋さんの漆喰に藍を染みこませた作品と、デザイナーの岡田さんの水に青いインクを垂らしそれを凍らせたり、波立たせたりして見せる表情を切り取った写真のコラボ展です。

全く違った手法による2人の作品ですが、ともに青の世界の鮮烈さが美意識を刺激します。

また青のもたらす神秘的ともいえる峻厳さに、見る者は姿勢を正さずにはいられません。

抜き身の刀剣の持つ緊張感に似たものがあります。

また作品の根本的な部分を、自然に委ねている点においても通ずるものがあるように思います。

漆喰に藍が浸み込んでゆく過程、水に垂らしたインクの表情は人間の思惑を超えた神の領域ともいえます。

作家は美を作り上げるのではなく、自然の中の美を掬い上げるのだと訴えます。

人はそこに踏み込むとき、謙虚さと誠実さが求められます。

それは己の内面と対峙することでもあり、自然に委ねる覚悟を持つことは己をさらけ出す覚悟をもつということでもあります。

それが峻厳さと緊張感を生んでいるのかもしれません。

会期は324日までで24日にはワークショップ、作家トークと交流会もあります。

ワークショップは満席ですが、作家トークと交流会は20日まで受付中です。

詳しくは下記の通り。

第83回草の根交流文化サロンinSEINO実施要項

『Surface 表面は内面を包むのか否か』

1 主催 草の根交流文化サロンinSEINO実行委員会

2 後援 池田町教育委員会 文化プロデュースSEINO

3 協力 、ぎふ草の根交流サロン

4 会期 2024年3月16日(土)〜24日(日))

      10:00~18:00

5 会場 土川商店「場所かさじゅう」(揖斐郡池田町宮地930)

6 目的 文化活動を展開している個人、団体の活動紹介や情報交換を行うことにより文化を視点にした緩やかなネットワークを形成し活動を支援するとともに心豊かな社会の実現に寄与する。

7 内容 3月16日~24日 作品展示(入場無料)

      写真と左官アート作品展

>     3月24日ワークショップ (漆喰アート〜漆喰で小品をつくります) 

13:00〜15:00 (材料代込み1000円 /要予約 定員15人 )

>   3月24日 作家トークと交流会  

16;00­­―19:00 (軽食 /¥1,500/要予約/定員25名)

>  *申し込みは3月20日まで       

8 作家プロフィール 

岡田庸平

1980年生まれ。 岐阜県大垣市出身。 グラフィックデザイナー・WEBデザイナー ロゴ・名刺・チラシなどの紙媒体のデザインの他、 WEBサイト設計、映像制作などをしています。 デザインアドバイザー、専門学校の非常勤講師などの側らアート活動に従事しています。

 

中嶋いづみ

左官職人アーティスト。 1976年生まれ、岐阜県垂井町出身。 小売店マネージメント、サロンオーナーを経て、2011年天然石のシゴト「白玉椿」で独立。仕事を通してお客様の人生と向き合うことが多く、生きる力となる暮らしの衣食住に関心を持ち始める。 2015年漆喰塗り体験をきっかけに漆喰DIY活動やワークショップ主催し、2020年本職を左官へ移行。2022年本格的に左官アート活動をスタートし、書道家や芸術家とのコラボ制作を実施。漆喰活動8年目となる2023年初めての個展を開催、きふ女のすぐれもの認定された。

10 問い合わせ先(ワークショップ、交流会申し込み先)

 草の根交流文化サロンinSEINO実行委員会事務局(土川商店内)

       揖斐郡池田町宮地930 (Tel0585-45-2120)

 

2024.03.16 Saturday | 06:39 | comments(0) | - | - | 

南座 3月花形歌舞伎へ行きました

昨年末の顔見世から数えて3回目の南座です。

 

今回も野口君ら5名で行きました。

 

こんなに劇場に通うのも30年ぶりです。

 

30年前はもった知りたいという思いが何度も劇場に足を運ばせました。

 

今は年を重ね残りの人生を考えるようになって、やりたいことはやっておこうという気持ちです。

 

顔見世には何度も来ているのですが、若手中心の花形歌舞伎は初めてです。

 

演目は河庄と忍夜恋曲者将門です。

 

河庄は何度も観ていますがいつも治兵衛を鴈治郎(坂田藤十郎)が演じていました。

 

将門は南座では始めて観ました。

 

今回は華やかで溌溂とした舞台で大いに楽しみました。

 

ただ紙屋治兵衛を仁左衛門が、団十郎が光圀を演じたらどうだっただろうと思ってしまいした。

 

帰りには建仁寺は初め古布屋、骨董店を覗き帰途につきました。

 

夕食は京都駅近くのラーメン屋です。

 

生まれて初めて行列に並びました。

 

中華屋の長き行列春寒し

 

2024.03.05 Tuesday | 11:40 | comments(0) | - | - | 

ハンドメイドショップ「D’i-ci〜ここから〜」開催

3月1日から3月6日の10時から15時までの間、布小物や編みぐるみ、がま口、アクセサリー、ガラス製品のクラフト作品の展示販売会を土川商店「場所かさじゅう」で開催します。

 

ハンドメイド資材もあります。

 

是非お立ち寄りください。

2024.02.29 Thursday | 16:36 | comments(0) | - | - | 

第82回草の根交流文化サロンinSEINO「亜哉の書」〜魂の正しいこと〜

 

217日から25日まで土川商店「場所かさじゅう」で書と水墨画の展覧会「亜哉の書」を開催する。

今日はその搬入日だった。

アートの役割の1つは新しい価値観を提言することだと思っている。

明治以前、戦前、戦後、価値観は時代と共に変化し時代を創っていく。

その先導をアートが担うと考えている。

一方で普遍的な価値観もあるのではないかとも思う。

それがあれば、それに従って生きることが善く生きることであり心の平穏をもたらす。

古代ギリシャの哲人たちが万物の根源を探ったのもそういうことだろう。

果たして何が普遍的に正しいのかが分かれば随分生きやすくなるに違いない。

ただそんなに容易く見つかるものではない。

自由や平等、個人の尊重といった価値観の確立もさほど歴史があるわけではないし、命の尊厳さえ今の世界情勢の中では絶対的では無いように思える。

やはり普遍的な価値観は幻想にすぎないと割り切ろうとすると、かつて父親の言っていたこと思い出す。

父がいつも子供たちに向かって口にしていたのは、当たり前のことを当たり前のことと思える人間になれということだった。

当たり前のことをどう定義するかは議論の余地が残るものの、宮沢賢治ではないが困っている人があれば助けてやろうと思い、悲しんでいる人があれば慰め、不条理に対しては憤りもする。

普遍的な価値観がああだこうだと理屈をこねくり回すより、そうした気持ちを持つことが大事だと言いたかったのだと思う。

そこには良心という言葉では片付けられない情と理性を一元化するような重みがあった。

あれこれ考えているうちに、父が伝えたかったのは「魂が正しくあれ」ということではないかと思うようになった。

そしてこれが普遍的な価値観と言えなくは無いとも思った。

正直、書はよくわからないが、真っ白な紙に墨を含ませた筆を走らせるとき、そこには心の有り様が如実に映し出される気がする。

右往左往する気持ちをそのまま作品化することもできるだろうが、鑑賞者に強く訴えかけるのはその真っすぐさであり、魂の正しさだ思う。

作品に「魂の正しいこと」を見つけると、そこに豊かな時間が流れる。

第一室の正面は「不染世間法 如蓮華在水」と「心響」と書かれた額が並ぶ。

汚泥から出て汚泥に染まらず、水の上に美しい花を咲かせる蓮が好きだと彼女は言う。

どんな環境にあっても凛とした態度を失わず、正しくあろうとする。

これこそ「魂の正しいこと」ではないかと思う。

そしてそれを観る人の心に響かせる。

作品を鑑賞しながら清々しさと共に、少しの勇気をもらったような気がした。

 

24日にはワークショップと作品説明会、交流会もありますので、ぜひお越しください。

2024.02.15 Thursday | 12:23 | comments(0) | - | - | 

 陶芸家冨岡大資さんの作品が中日新聞社賞と名古屋市長賞を受賞~日展名古屋展〜

 

 

日展の名古屋巡回展が124日から212日まで開催されている。

 

友人の冨岡さんは前回、前々回と同様「始まり」と題した作品を出品している。

 

一昨年特選、昨年は無鑑査、今年は惜しくも入選にとどまったものの、中日新聞社賞と名古屋市長賞の両賞を受賞し、その作品の評価はますます確実なものになったといえる。

 

今回の作品も過去の2作品と同様白と黒を基調に点刻文を施したものだ。

 

形状の大胆さと繊細な点刻文の取り合わせの妙、さらに白と黒の色調がもたらす侵しがたい品格など見事という他はない。

 

点刻文の刺突具に水晶を用いるようになったためか、緻密さと神秘性が加味された感がある。

 

形状はより大胆で躍動感がまし、鑑賞者は奮い立たつような思いを持つに違いない。

 

複雑な世界情勢、天変地異、コロナ禍を乗り越え、立ち上がろうとする人々へ贈るにふさわしいメッセージといえるだろう。

 

過去の作品と比較すると、前々回のものは大胆さと繊細さを絶妙に調和させ、そこに快感ともいえる安心感をもたらしていた。

 

前回のものは、まとまりすぎた感はあるものの、内蔵され、開放を待つエネルギーを感じさせ、今回は満を持して解放される躍動感あふれる命を感じさせる。

 

3作品を並べると一つの物語が浮かんでくるようだ。

 

ぜひ愛知県美術館に足を運んでほしい。

 

2024.01.26 Friday | 20:17 | comments(0) | - | - | 

「句会かさじゅう」のお茶会と新年会


昨夜は「句会かさじゅう」を開催しました。

 

今年初めての句会ということで、新年会を兼ねて開催することになりました。

 

会場はいつもの土川商店の2階でしたが、数日前から真紀さんと美佳さんが準備され見違えるようです。

 

床の間には獅子門3世の仙石盧元坊が、享保12年北陸に赴く年の正月に旅立つ思いを認めた軸を掛けました。

 

さらに陶芸家の美佳さんが自身の作品である花器に蝋梅を活けました。

 

違い棚には今回の茶会のテーマである「炭」にちなんで菊炭をおきました。

 

お茶は真紀さんのお手前でいただきましたが、趣深い時間を堪能できました。

 

昨年の新年会では書家の美穂さんの指導で短冊に自分の句を書くという企画でしたが、今回の茶会といい時折このような会を持ちたいと思います。

 

句会の方は新年会ということもあり料理に舌鼓を打ちながら、選句はせずそれぞれ持ち寄った2句の感想を発表するということにしました。

 

今回は獅子門の松尾一歩さんが参加いただけたので、一歩さんからそれぞれの句の感想も聞くことができいい機会となりました。

 

「句会かさじゅう」は毎月第3木曜日19時からですので、関心のある方ぜひお越しください。

 

ちなみに今回私の投句したのは、「埋火や遠き記憶の底の底」

2024.01.19 Friday | 07:27 | comments(0) | - | - | 
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